内容 |
研究発表 新・未来プロジェクトIV / 要旨 |
巻 |
19巻2/3号2014年
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Page |
49
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題名 |
Aグループ:世界に誇る「和エコ」の創出
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Title |
Creation of World-class Japanese Eco Style “wa e ko” |
著者 |
渥美幸也 1),大田修平 2),戸田 剛 3),村上 仁 4) |
Authors |
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著者表記 |
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著者表記(英) |
Yukiya ATSUMI, Shuuhei OOTA, Tsuyoshi TODA and Hitoshi MURAKAMI |
著者勤務先名 |
1) (株)タクマ,2) (株)日立製作所インフラシステム社,3) 横浜市資源循環局,4) 東京都下水道局 |
Office name |
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著者所属名 |
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キーワード |
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Key Words |
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概要 |
世界における人口は,20世紀当初は約16 億人であったのに対し,21世紀当初には約61億人まで増加し,今後とも途上国を中心に増加することが見込まれている。人口の増加とともに,水,鉱物などの資源枯渇や経済活動の増加に伴う地球環境の悪化が懸念されている。このような中,欧州諸国などでは積極的に持続可能な社会へ向けた取り組みを進めている国が多く,環境先進国として世界的に知られている。日本においても,江戸時代には,鎖国という状況もあり,独自の文化を発展させるとともに,ほぼ完全なリサイクル社会を作り上げるなど,限られた資源を最大限活用する社会や文化を構築してきたが,現代になり大量生産・大量消費の時代が続いてきた。20世紀後半には,持続可能な社会を目指した様々な活動や環境技術の開発を行ってきたが,2007年にスイス・チューリッヒ州立銀行がOECD加盟国を対象に実施した「持続可能な社会へ向けた国際ランキング」では,下位に位置している。日本は省エネ技術を筆頭に世界有数の環境技術力を持つことは世界的に認知されている。その環境技術を経済成長に繋げるため,政府は2010年6月に新成長戦略を発表し,環境技術を成長戦略の一つとした。その成長戦略に基づき産学官が一体となって環境技術の海外輸出の取り組みを実施している。しかし,その取り組みにも関わらず世界市場において日本の環境製品は海外シェアをほとんど有していないことが現状である。これは単純なコストや品質のフィールドでは,環境先進国である欧州諸国に比べて日本が不利であることを示している。これらの現状を打開するための一つの方策として,高い品質に頼った単純な製品輸出でなく,日本ならではの文化,習慣,考え方を製品に付加し,持続可能な社会に向けた新たな付加価値として輸出することが考えられる。日本には和食,和服,和式等に代表されるように,物や様式に「和」を付加し,日本独自のスタイルとして世界的に認知されているものが数多く存在する。しかし,日本独自の文化,習慣,考え方を付加させた環境技術やスタイルは確立されていない。本グループでは,これらの背景を踏まえ,新たな日本式のエコスタイルとして「和エコ」を創出し,オリンピックを契機に世界へ広めていくことで,各方面での海外進出への足掛かりとすることを提案する。和エコの創出にあたっては,日本の代表的なエコスタイルとなるように,各地に存在する日本ならではのエコな文化,習慣等から選考する必要がある。このため,和エコを決めるための「エコリンピック」を開催し,日本各地からテーマ(文化,習慣等)に沿ったエコスタイルを提案してもらい,競技や投票により選考していく。選ばれた優秀提案は,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技会における環境への配慮として組み込むことで,競技会に来場した世界各国からの観客に対して,和エコとしてPRを行い世界へ広めていく。
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Abstract |
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