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内容 第26回研究発表会:パネルディスカッション
19巻2/3号2014年
Page 3
題名 水俣条約批准に向けた対応と課題
Title Challenges toward ratification of Minamata Convention on Mercury
著者 高岡昌輝
Authors
著者表記
著者表記(英) Masaki TAKAOKA
著者勤務先名 京都大学大学院
Office name
著者所属名 地球環境学堂地球益学廊
キーワード
Key Words
概要 水銀は有用な物質であるとともに,重大な健康影響をもたらす物質でもある。人為的あるいは自然発生源から水銀は一旦大気中に放出された後,乾性あるいは湿性沈着し,海洋あるいは淡水,土壌へ取り込まれる。しかし,その特異的な揮発性ゆえに再放出する結果,地球規模での循環を生じ,主に大型魚類の体内ではメチル水銀の形態で蓄積することから,それらを摂食することによる低濃度曝露による健康障害の事例が報告されている。できるかぎり環境中への水銀排出を削減する必要があり,2002 年から国連環境計画(UNEP) による国際的な削減取り組みが始まり,昨年10月には「水銀に関する水俣条約」が採択された。 これまで様々な製品や生産プロセスにおいて使用されてきた水銀は,条約が発効すると,その使用についてかなりの制限がかけられることとなる。つまり,生産プロセスの変換(例えば,2025 年までのクロロアルカリプラントの全廃) が求められるとともに製品に使用されなくなると,余剰水銀が発生する。もはや使用用途がない水銀は有害廃棄物として扱わねばならない。このように,元素である水銀自体を今後管理していく必要がある。 水俣病の悲劇を繰り返さないためにも日本は世界で本条約を先導していく立場にあり,条約の確実な実施を担保するために,中央環境審議会の関連部会の小委員会において大気分野,廃棄物分野,それ以外の分野に分けて議論がなされ,法制度の見直しが現在進められている。 本パネルディスカッションでは,水銀の人為的な排出がどのように問題になってきたのかを再確認しつつ,その人為的排出を抑えるための努力として,行政の取り組み,企業の技術的取組,またそれを監視する技術,今後の問題について各パネラーのご意見をお伺いして,議論して頂き,今後の水銀のよりよい管理へ向けて関係者への提言として役立てて頂きたい。
Abstract
 
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